2014年1月30日木曜日

症例報告- 「お尻の痛み+足を引きずるような歩行」

患者さん主訴:

『何ともいいがたいお尻の痛みが続いて、ここ数ヶ月スッキリしない状態が続いている。ちょっと買い物に出掛けても、歩くと足を引きずるような感じになってしまう。』

患者さんに痛みのポイントを示していただくと、お尻の側面からうしろ全体を押さえる。

                                         
みたて:


痛みのポイントとアプローチポイント(施術をするポイントの事)が重なることはこれまでの経験からもほとんどといってない。

今回のケースも、痛みの原因をたどっていくと、
お尻→膝上部→アキレス腱上方→足の甲→足指4指と遡ってアプローチポイントが定まる。







このように、症状がでている部分と離れた場所に解決の鍵がみつかることがあります。
今回の患者さんも、これまでに骨盤を調整をしたり、お尻の部分の筋肉の緊張をゆるめる施術を受けていたとのことです。


施術後は痛みが全くない状態で歩行が可能となる。翌日に様子を伺う機会があり、その後の経過をお聞きしましたが、『今日は気分よくデパートで買い物ができた』とのこと。




2014年1月21日火曜日

呼吸

私たちは一日の生活の間に、2万八千回呼吸します。
食物の消化のサイクルが24時間かかるとすると、呼吸作用の1サイクル(空気の吸収)には約3秒かかります。
バランスのとれた呼吸は、健康的で、若々しい生活の必須の要件です。
新生児において最初の呼吸が生じ、スペースとのリズミックな交換が始まる様子を産婦人科医のフレデリック・ルボワイエが描写しています。今日はその一文を抜粋させていただきました。

『子どもは、誕生する前はひとつの統一体のなかで生きていました。子どもは世界と自分のあいだに、どんな区別もしていませんでした。外も内もひとつだったのです。子どもはまだ対立というものを知らなかったのです。たとえば、冷たさについては何も知りませんでした。冷たさは、暖かさと比較することで初めてわかるからです。
子宮のなかでは、胎児の体温と母親の体温は完全に一致しています。どうやって、そこに区別が感じられるでしょう。
誕生以前には、内も外も、冷たさも暖かさもないのです。
誕生とともに、赤ん坊は対立の王国に転落します。そこでは、あらゆるものが、善と悪、快と不快、好きと嫌い、乾きと湿りなどに区別されます。子どもは、仲たがいした兄弟のように、切り離すことのできない対立関係を発見するのです。
子どもは最初どのようにして対立の世界に出会うのでしょう。感覚によって知るのでしょうか。いいえ、それはもっとあとです。
呼吸によって対立の世界に入っていくのです。
最初に息を吸い込むとき、子どもは一線を越えます。いま、そのときがきました。
子どもが息を吸い込みます。息を吸うことで、その反対の動きが生まれます。息を吐くのです。
そして、これがくりかえされていきます……。
振り子がふれはじめ、はてしなく動きつづけます。この世界の原理とは、あらゆるものが呼吸と振り子の運動からできている、ということです。あらゆるものが永久にその対立者から生まれます。昼は夜から、夏は冬から、富は貧乏から、強さは謙虚から生まれます。
始まりとか、終わりとかいうものはありません。
呼吸とは、こうした世界と調和し、普遍的で永遠につづく脈動と一体化することです。』 

フレデリック・ルボワイエ/『バースサイコロジー』より抜粋